レタスの定植(植え付け)
畑の準備
普通、定植準備といえば堆肥を散布するあたりからですが、うちの場合は、たいていその前の作業---つまり、前作の後片付けから始めなければなりません。春〜初冬にかけては日々の管理や収穫作業に追われて多忙を極めるので、後片付けは後手に回ってしまい、冬〜早春にかけて行っています。特に前作を夏ごろ収穫してしまった場合や休耕していた場合などは、人の背丈よりも高い草が畑を覆っていたりします。まずはこの草をなぎ倒し、草刈機で細断し、マルチを取り除きます。それからロータリーで浅く耕し、ようやく人並みの畑になります。それから堆肥をまきます。
菜楽では化学肥料の使用は少量に留め、堆肥を中心とした土作りをしています。堆肥には化学肥料と同様の肥料成分(窒素、リン酸、カリ)が含まれている他、様々な有機酸、アミノ酸、微量要素等、いろいろな成分が含まれています。また、堆肥には植物の繊維が多量に含まれているため、肥料としてだけではなく、土の物理性を改善する目的でも使用しています(ふかふかの土になります)。そんなわけで堆肥の散布量はかなり多く、マニュアスプレッダ(堆肥散布機)で10a当たり5-6台投入します。堆肥は、近くの肉牛肥育施設から2トンダンプで運んでくれます。
その後、10a当たり、ようりん40kg、過りん酸石灰を20kgほど散布し、軽く耕して土と混ぜておきます。雨が無ければ灌水して準備完了。
マルチ張り
苗が大きくなってきたら、生育状態を見ながらマルチを張っていきます。マルチとはポリエチレンの黒いフィルムで畝の地表を覆うもので、乾燥や雑草を防ぎ、地温を高め、作物の生育を促進してくれます。
マルチ張りは、深耕ロータリーにセットした自作の機械で行います。気温の低い時期には穴なしを、暑い時期には穴あきのマルチを使用します。なぜかというと、マルチの内側には熱気が溜まりますが、穴が大きいほど熱気が外に逃げやすいからです。気温の低い時期には極力小さい穴の方が地温が上がり、気温が高ければ大きい穴の方が熱くなり過ぎずに良いわけです。また、マルチの植え穴から生えた雑草は手作業で取り除かなければいけないので、その点では、穴が小さい方が後々楽です。(ただし、穴無しを使うとマルチに穴を開ける手間がかかりますが。)
苗の定植
レタスは本葉が4枚位になったら定植します。この時期になると根鉢が出来ているので、ペーパーポットをばらしても土が崩れません。定植は、穴無しマルチの場合は小さな穴を手で開けながら、1本1本手で植えていきます(慣れてくると、1時間で300本くらい植えられます)。深く植えすぎるとレタスの形が悪くなるので、子葉が地表に出るくらいに浅く植えるのがコツです。1度に1000本くらい定植するので、腰が痛くなったりして結構大変な作業です。
植え付け後、寒い時期には不織布をかけ、更に小トンネルをかけて苗を保護します。下の写真で青い部分は防風ネットです。冬から春にかけて栃木では特に風が強いので、トンネルが風で飛ばされないように上から抑えています。また、防風ネットがある程度の遮光にもなるので、トンネル内の急激な温度上昇が防げて管理面でも楽ができます。ちなみに今のところ遮光による徒長は問題になっていません。
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